永久脱毛の歴史は古く、多くの古代文明で永久脱毛の様々な試みがなされていたと言われています。脱毛は美しさを求める女性たちにとって、今も昔も変わらない重要なテーマなのです。永久脱毛の基本原理は、毛の生えてくる発毛組織を破壊することによって毛を生えないようにするというもので、その為に使用されるのが、現在ではレーザーや電気ということになります。
1900年ごろからアメリカではX線を使用した脱毛法が行われていたそうです。永久脱毛は出来たそうですが、シミ・シワ・傷などの副作用がみられ、脱毛後10年以上経って皮膚ガンになるケースもあったようで、次第に行われなくなりました。
電気分解法は、1875年にアメリカで逆さ睫毛の治療として使用されたのが最初です。発毛組織に直流電流を流し、組織液を電気分解します。その電気分解作用でできるアルカリ液(水酸化ナトリウム)が毛包組織を破壊することで発毛が行われなくなるという方法です。20世紀前半になると、電気脱毛士という職業が生まれ、電気脱毛自体が広く認知されるようになりました。
1924年にフランスで考案されたのが、高周波電流を使用する永久脱毛法です。1940年代には、高周波法脱毛器に真空管が使われるようになって、機器の性能が増し普及が進みました。高周波の加熱作用により、発毛組織を凝固させて機能させなくする方法で、電気脱毛に比べて処理時間が早いというメリットを持っています。
1948年に上記ふたつの方法を組み合わせ効果を高めた方法がブレンド法と呼ばれ、現在主流となっている美容電気脱毛法です。この脱毛方法は、毛包にプローブ又はニードルと呼ばれるものを挿入し、微量の電流を流すことによって毛をつくる組織を変性し、発毛機能を失わせるというものです。
1970年代に、日本にブレンド式脱毛器が輸入され、その後エステティックサロンにおいて、電気脱毛士によって施術が行われるようになり普及していきました。
1983年にハーバード大学のRox
Anderson博士が「選択的光熱融解」理論を発表しました。これはレーザーの照射時間を短くすることで、周りの組織にダメージを与えずに特定の組織のみを選択的に反応させることができるというものです。
この理論を元に皮膚科を始め、様々な分野でのレーザー治療の応用が進み、その中で、レーザー脱毛の研究も進んで行きました。1996年には、Andersonグループがレーザー脱毛理論を八表、1999年、FDA(米食品医薬品局)が脱毛用レーザー機器に対し、その安全性を認め、販売を認可しました(FDAでは15のレーザー脱毛機と2つのパルスライト脱毛機に対して販売許可を、また6つのレーザー脱毛機に対して、「永久減毛」という表現を使用することを認めています)。
1997年には、日本にレーザー脱毛機が導入され、皮膚科・美容外科などの医療機関によって、施術が行われるようになりました。(レーザー脱毛は医療機関による治療のみ許可されています)